ずぼん Confused Heart(訳)






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I translated an amazing NxR fanfic(or slash?)!
The original is here.
You should read! This is amazing!
I respect the origin novel, and author.
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 オレの感覚のうちにあるのは愛なのだろうか?仮に愛だとして、なら何故こんなに痛々しいのだろうか?愛は暖かくて美しい感情じゃないのか?もしくはオレが感じている何かは愛なんかじゃないもっと別のもので、多分愛とは完璧に違うものなのか、もしくはオレは愛の定義を間違っているのだろうか?オレはこの主題の専門じゃないし、つい最近愛という感情を知ったばかりだ。だが、オレは今までいろいろな感情を感じてきたけど、これより理解が難しいものはなかった…この「愛」ってやつ以外は。それはオレにとって本当に難しかった。何でか知りたいか?十中八九、知りたくねーだろうな。でもどのみちオレはお前に話すし、最後にはお前がオレを理解してくれることを願う。


 思うに、すべてが始まったのは数年前だった。オレはフツーのナイトメアンだった。お前とか、他の奴らみたいな。オレは定期的にナイトメアを一回りして、ビジターを恐ろしい夢で怖がらせてはイデアを盗んでいた。オレは楽しかった。そう、お前は聞き間違ってない。オレはビジターから貴重な夢のエナジーを奪うのが大好きだった。オレは奴らを怖がらせ、逃げ出させて、夜の領域から消え去るようしむけるのが大好きだった。なぜならオレが悪夢で奴らを目覚めさせるってことは、オレがその原因ってことだからな。それはオレの生きる目的だった。オレの情熱だった。それはお前のでもある、まだな。オレはそれ以上それが好きじゃないとは想像しにくい。オレがそのことを言うのをお前が嫌ってるのを知ってるけど、それは真実なんだよ。


 みんな知ってるように、平均的なナイトメアンが感じることが出来るのは、憎しみ、誇り、怒り、あとたまに妬みだけだ。でもオレは違う。オレはそれに一夜で気づいたわけじゃない。それは長い時間をかけて、飛ぶことや、新しい飛行法をただ観客に見せるためだけに練習しているときに学んだものだ。そしてあるときオレは実際に以前より高く、速く飛べるようになったとき、オレは幸せを感じた。幸せだと?ナイトメアンは幸せなんか感じれるはずないじゃないか?ならなんでオレはそれを感じたんだ?


 オレはそのとき感じたものが本当は何だったのかは考えなかった。ただその状態でいることを楽しんでいた…幸せでいることを…それが実は幸せであろうとなかろうとオレは気にしなかった。それはオレの初めての時間だった。もちろんそのあと幸せを経験したことはない。オレはただオレの普通の状態、まったく感情のない自己に戻った…正しいありかたに。


 いくばくかの時間が経って、オレはまた奇妙なものを感じた。お前が覚えているかはわからないけど…ギルウィングと戦ったときのことを思い出せるか?奴がお前よりたくさんのイデアを集めていて、お前は自分より多くの夢のエナジーを集められるものはいないといっていた。お前は首位のコレクターで、アホなドラゴンがお前の「称号」をもっていくのは容認できなかったんだな。オレはお前らの闘いを見てたときの事を覚えている。お前は攻撃的で、強かった。でもギルウィングはでかくて、より危険だった。で、オレは認めなければならない(頼むから笑わないでくれ)。オレは怯えた。そう。お前に怯えたんだ、ギルウィングにも。お前らの凶暴な攻撃に、お前らの荒れた表情に、お前の鋭い金の鉤爪がギルウィングの肉に刺さるのに…それはオレの心をむき出しの状態にするのには十分すぎた。オレはもう少しでその恐ろしい光景から逃げ出すところだった。オレは怖かった。オレはお前がお前だとわからなかった…お前らがわからなかった。お前はオレの目にまったく違うように映ったし、知らない奴がふたり、喧嘩してるように思えた。オレはお前が暴力的で、お前が怒ったときにその力を使えることを知っていた。でもオレはそこまで怒り狂うお前を見たことがなかった…そこまで怒り狂うお前は。同じことはギルウィングにもいえる。オレはお前の怒り狂う姿にいままでにない恐れをなした。


 でも…なぜだ?なんでオレは恐れるんだ?ナイトメアンは恐れることなんか出来ない!オレたちは他の奴を怖がらせて、恐れられるべき存在だと思っている!オレはお前を恐れたことなんかなかった…多分お前が標準的な、残りの奴らと同じ…いや…お前は違う。お前はオレに似てる。オレはなんでそんな考えに至ったのかわからないが、でもオレはお前が違うのをかなり確信してる。お前の瞳にある何かがお前を唯一のものにしてる…オレのように。多分それはオレらが双子だから、だろ?


 そう、前に言ったよな、二番目にオレが感じた奇妙な感情は恐れだった。オレはワイズマンにこれを知られたくなかった。あいつはきっとオレがゆるい心の持ち主で、臆病者のナイトメアンよりばかげた存在だと思うだろう。「恐れ」と「ナイトメアン」は一緒にならない。だからオレは黙っていた。オレは誰にも話さなかった。ただ働いた。誰も気づかなかった。


 だが時は過ぎ、オレはよりたくさんの感情を感じ始めた。そしてそれをお前、あるいは他の奴から隠しておくのはどんどん難しくなっていった。オレは誰かのイデアを強奪すると罪悪感を感じるようになった。なぜならオレが原因で痛めつけられるに値しない奴らが痛めつけられるからだ。オレはよく自室で声を上げて泣いた。そう、オレは泣き叫んだ。お前は泣き叫んだことなんかないだろう?えー、それは自分を信じられないほど弱く感じさせるものだ。オレはよく泣き叫んだ、ビジターを苦しめるのが好きじゃなかったからだ。でも、それでオレに何が出来る?何もだ、もちろん。オレは何もお前に言うことが出来なかった。もしオレがいつも喜んでしていた仕事に罪悪感を感じるようになった、とお前に言ったなら、お前は笑っただろう。


 それはつらいことだった。だがオレはしっかりそれに立ち向かった。オレにとってその感情がどれだけ強かろうと関係なかった。オレはそれを無視すると決めていた。そしてそれは効果的だった。少し何回か自己をトレーニングし、オレはまったく感情を隠し、オレの無感情な自己が戻ってきた。だけど、ひとつの感情が、たったひとつのばかげた感情が、オレを粉々にした…


 愛。


 お前聞いてるか、リアラ?オレは愛といったんだ!


 最初、オレは自分の感じているものをなんとも呼べなかった。オレは「愛」という言葉を聞いたことがなかった。それはまるで胃のなかにチョウチョでもいるかのようにオレをおかしくし、それはオレの頬を赤くし、それはオレの小さな心臓を混乱させ、鼓動を速くし、それはオレにめまいを感じさせ、それはオレにお前の注意を惹きたくさせ、それはオレをお前のそばにいたくさせた。ああ、お前今わかったのか?そう、オレはどんなときもお前のすぐそばにいた。オレはそれを感じていたからな。オレは混乱していて、それによってお前も混乱させたということができる。お前はオレがおかしな行動をとるので混乱していたな。うーん、オレも自分がおかしな行動とってしまうことで混乱していたよ。


 自暴自棄のなかで、自分に起こったことが何なのか知りたくてオレは助けを求めた。オレはお前に聞くことはできなかった、それは明白だろう?そしてオレはワイズマンにも聞けなかった。奴はオレになにか不具合が生じたと思うだろう。だからオレはただ一人の人に聞くしかなかった。お前も知ってる。パフィーだ。


 最初、オレがどのように感じているかを説明するとき、彼女は横長の目でオレを見ていた。オレはどんな些細なことでも彼女に話した。彼女はオレに、ナイトメアンがそんなにさまざまな感情を感じることが出来るなんて驚いた、と言った。オレは黙って彼女を訴えるような目つきで見上げた。何が起こったのか教えるようオレは彼女に縋った。彼女はため息をつき、「愛ね」と言った。


 「で、愛って何だ?」


 彼女はショックを受け、そして正確には愛が何なのかは知らないといった。だが、彼女は愛はとても強い感情で、それはビジターにとっては一度は経験するのが普通の感情だということを知っていた。彼女の答えはオレを満足させなかった。だからオレは適当にナイトメアンを捕まえては愛とは何かを聞いて回った。もちろん誰も知らなかった。ビジターが目の前にいても彼らが何を感じているかわからない奴らに、どうしてビジターのような感情がわかるというのだろうか?


 オレは愛が何なのか知ることに取りつかれ、自己をコントロールできなくなったことをいわなければならない。オレはすべての場所を探したが、それについて何も見つけられなかった。最後に、オレは試みを続けるのが役に立たないと決めたにもかかわらず、まだ3人の人に聞いていなかったことに気づいた。ワイズマン(もちろん、オレの人生が奴に懸かってようとオレは奴に聞く気はなかった!)、お前(ごめん、でももしオレがお前に聞いたら、お前はオレを嘲り、気が狂ったのかと聞くだろう)、そしてジャックルだ。狂ったマントのナイトメアン、ジャックル。オレは疑っていたことを認めなければならない。オレは他の奴と比べてジャックルをあんまり知らなかったが、奴はオレの唯一の選択だった。オレは奴に聞いた。


 そう、オレはそんなにも自暴自棄になっていた。


 初めて奴のねぐらに入ったとき、オレは背中に震えが走るのを感じた。オレはあの場所が嫌いだった。そこはオレをおちつかなくさせ、なんでかはきくなよ、でもそうだったんだから。オレはジャックルをねぐらの中ほどで見つけた。奴は一人でポーカーをしていた。奴はいつもポーカーをしていた。奴は最初オレに気づかず、ただ一人芝居で「ハッハア!ざまあみろ!お前は騙された!」とか「ワイズマン様の目的のためだ!勝つのをやめろ!わたしは勝つのを期待されたただ一人だ、お前じゃない!」みたいな、ばかげたことばかり言っていた。それはさらにオレを落ち着かなくさせた。奴の一人芝居を一通り見た後、オレはわずかに咳払いをして奴の注意をむけさせた。それは効果があった。


 オレが奴に何を言っているのか理解させるのに少なくとも5分はかかった。オレは驚いた。いつもならオレが何を説明しているのか理解を得るのに最低でも30分はかかる。オレは奴がさっさと理解したのは奴も普通とは違う感情を感じることが出来るからだと思った。それは説明する中で最も難しい部分だった。お前は幸せが、恐れとは、愛とはなんなのか自分で誰かに、かろうじて怒りが何なのかわかるだけのような奴に、説明することを想像できるか?オレはお前ができないってわかってる、だってお前にはそれをするだけの忍耐力がないからな。


 いずれにせよ、ジャックルは100%オレを理解した。奴はオレのすべての説明を黙って聞き、何も言わなかった。オレが話を終えたとき、すごく気まずい沈黙が奴のねぐらに満ちていた。そして突然奴は笑い始めた。お前は奴が変な笑い方をするのを知ってるよな、それはオレが今までに聞いた他のナイトメアンのどんな種類の「笑い」でもなかった。その笑いかたは唯一のもので、他の奴らの笑いのような偽りでも浅いものでもなかった。本物だった。


 奴は笑うのをやめて、盛大ににやにや笑いながらオレをみた。「わたしも幸せを感じることが出来ますよ」奴はくすくす笑いながら言った。でもオレはもうそれはわかってた。たくさんのナイトメアンが幸せなふりをするが、でもそれは本物じゃないってことにすぐ気がつくだろう。幸せを感じるのと幸せなふりをするのは全然違うことだ。そして、多分イデアを集めることにワイズマンに言われたことを埋もれさせていたんだと思う。オレはジャックルが幸せを感じて、それが偽りでないってことに気づいてなかった。みんながジャックルは感情を持っているので幸せを感じるけど、それは奴がただ狂っていて正気じゃないからと思っている(お前もそういう奴らの一人だった。お前はいつもオレにジャックルに近づくなと言っていた。奴は正気じゃない、と)。


 奴はオレに、自分は幸せを感じることが出来る、喜びも、悲しみも、ほかの共通なものも、まったく浅いものも、生まれたときから、といった。これを聞いてオレの心臓は喜びにはねた。奇妙なのはオレ一人じゃなかった!オレは感情を感じることができるただ一人の存在じゃない!少しの幸せな時間を奴と分かち合った後(オレは嬉しかった。だってオレは感情を感じれる唯一の変人じゃなかったし、ジャックルもそのように奇妙だったから幸せだった)、オレは奴に聞きたかったことを聞いた。


 「愛って何だ?」オレは言った。オレはこの質問をこれ以前に100回ほどもしてきたが、まるでそれ口にするのが初めてであるかのような奇妙な感覚を味わった。オレは不安な目で奴を見た。奴は回答するのに何秒かかかった、多分オレに言いたいことをわかりやすく伝えるための方法を探してたんだと思う。「えー…愛とはビジターが経験する能力を持つ感情である」うん、もうそれは知ってる。もし奴がオレにこの奇妙な感情について新しい情報をくれるのならと、オレは根気強く待った。奴はさっきと同じだけ黙り、そして言った「それはわたしが彼らの夢の中でビジターから聞いたか見たかした。その感情は、二人のあいだで自分自身の人生よりもお互いを気にかけるような…もしくはふたりの間をつなぐ線のようなもの」


 おい、誰かをお前の自分自身の人生より気にかけたことはあるか?オレは、オレが自分自身にはらう注意より、お前にはらう注意のほうが大きいのか?お前はオレにとって自分自身の存在より大事に思われているのか?うん、もちろんお前はまだその位置にいるよ。お前は今間違いなく驚いてるよな。お前はなんでオレがお前に対してそのように感じるのか知りたいか?なぜならお前はオレの兄弟で、オレの片割れで、そしてオレの生まれたときから今までずっとそばにいた奴で、そしてお前はオレの人生においてオレがしたことをすべて目撃した奴で、オレはお前と並んで育ってきたし、またオレはお前がそばにいないと不完全に感じるんだよ。


 でも少しオレの話に戻らないか?


 お前はオレが結局愛が何だったのかを知って、どれぐらいステキだと感じたかを知らない!オレはすごく幸せだった、すごく興奮していた!すんでのところでジャックルの見えない体に抱きつくところだった…すんでのところでな。満面の笑みを浮かべてオレはジャックルに、教えてもらったことがどれほどオレの存在を幸せにしたかと言った。だが、オレの幸せは長くは続かなかった。「けれども、そんなに興奮しないで…さらに聞いた話では、愛とはふたりの間で同じように感じなければならないものなんですよ…」


 奴は何を言ってるんだ?奴は、オレの想いが「完璧」になるためには、お前も愛を感じなければならない、と言ったのか?それはお前がオレをお前自身の命より気にかけなければならないということなのか?オレは何分かの間座り込んで、オレの世界が重力崩壊を起こしたかのように感じていた。「それは不可能だ、ジャックル、お前が知ってるように、オレたちは正常な浅いほうと違う感情を感じることが出来る唯一の存在なんだぜ…そんなことがどうしたら起こるってんだよ?お前さえ愛を感じる能力はないんだろ…」


 奴はくすくす笑って、子供みたいなトーンの声で「誰が幸運な人?」といった。オレは奴の言ってる意味がわからなかった。実に数秒もその情報を処理するのにかかった。奴はお前のことをいってんのか?オレの正気を、オレの心を盗んでったただひとりのことか?オレはなんていったらいいかわかんなかった。オレは頬が熱くなって、自分が猛烈に赤面していることを感じた。オレは少しも理解できなかったが、いくつかの単語をどもりながら口にした。いくつかの奇妙な理由が奴にお前がオレが恋に落ちたやつだってことを言うのをためらわせた。なんでオレがそのように感じたかって?まずオレたちはどっちも男だから?または、たぶんオレたちが面倒なことに、正確には双子だから?


 「リアラがその幸運な人なんですねぇ、ん?わたしはそれを知ってましたよ!」オレはお前の名前が出たことに凍った。なんで奴は知ってるんだ?オレはすごく小さな、弱い声でどうしてオレが想いつづけているただひとりがお前だってことを知ってたのか聞いた。奴はただ、まだ、またもくすくすわらっていたが、あなたの感情をたくさん教えてもらったので、何を考えていたかを知るのはかなり簡単だったと言った。奴はそれはおもしろい眺めだったといった。オレはほんとうに自分がバカだと思った。


 奴はオレがどのように自分の気持ちをかえるべきかを知っていた。そのときオレは自分の想いが完成するのは不可能だと思い、黙って悲しみに浸っていた(なんでそれが完成しなきゃいけないのかわからなかったが、オレはそれがそうすべきものだというのをただ知っていた)。だから奴はオレにお前が愛を感じるようさせる計画をもちだした。そう、お前は正しく聞いた、オレたちはお前がオレと恋に落ちるようにしむける計画を練り上げた。悪くないだろ?


 ひとつの仮説、お前はオレたちと同じように、共通の感情と異なったものを感じることができるという仮説にオレらはいきついた。自分の胸に聞いてみろよ、「どうして彼らはそのように考えたのか?」って。うーん、お前はオレの片割れだろ、覚えてるだろ?だからオレらは間違いなくいくつかの点で似てるし、そしてたぶん、ただの仮定だけど、お前はこの奇妙な才能を持っているほどには幸運だったよな。

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